摩擦ベルト伝動用語集(JIS B 1860:2018抜粋)
2026/05/07
【適用範囲】
この規格は、一般に用いられる動力伝動用の、継ぎ目のないVベルト、Vリブドベルト、Vプーリ及びVリブドプーリに関する用語及び定義について規定する。
※この技術資料には図は掲載していません。図や全文は、ホームページ「日本工業標準調査会」にて閲覧できます。
目次
A)Vベルト
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| Vベルト | 左右対称の台形形状の断面をもち、直線の面で構成されたベルト。 下面、側面及び上面を延長した交差部は、面取り又は丸みで形成されることもある。 | V-belt |
| 六角ベルト | 二つの二等辺台形を底辺でつないだ六角形の断面をもつベルト。 | hexagonal belt |
| 結合Vベルト | 二つ又はそれ以上のVベルトを規定の寸法で等間隔に並べ、その上部を結合布でつないだベルト。 | joined V-belt |
| ピッチライン | ベルトを曲げても同じ長さを保つベルト中の円周方向の基準線。 | pitch line |
| ピッチ面 | 全てのピッチラインで構成される面。 | pitch zone |
| ピッチ幅 | ピッチ面の位置におけるベルト幅。ベルトを回転方向に曲げても幅は変わらない。 | pitch width |
| 上幅 | 断面の台形輪郭で広い方の幅。 | top width |
| 高さ | 断面の台形輪郭の高さ。 | height |
| 相対高さ | 高さとピッチ幅との比で算出される無次元特性。 【注記】Vベルトの4種類の相対高さは、およそ次のとおりである。 細幅Vベルト:0.9 一般Vベルト:0.7 準薄形Vベルト:0.5 薄形Vベルト:0.3 | relative height |
B)Vプーリ
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| Vプーリ | プーリの外周部に、左右対象のV形の溝が一つ又は複数あるプーリ。 | V-grooved pulley |
| プーリの溝角度 | 溝断面の両側面間の角度。 | angle of pulley groove |
| プーリの溝のピッチ幅 | 用いるベルトのピッチ幅と同じプーリの溝の幅。 | pitch width of pulley groove |
| ピッチ円直径 | プーリの溝のピッチ幅でのプーリの直径。 | pitch diameter |
| ピッチ円周長さ | ピッチ円直径と等しい直径の円の周長さ。 | pitch circumference |
C)Vベルト伝動
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| Vベルト伝動 | 二つ以上のVプーリ及び1本以上のVベルトによって構成される伝動装置。 ベルトは、プーリの溝の底ではなく、溝の側面だけに接触し動力を伝達する。 | V-belt drive |
| 速比 | プーリのピッチ円直径の比率から計算したプーリの角速度の比率。 スリップ及びベルトの変形は考慮しない。 | speed ratio |
D)データム幅に基づいたシステム
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| データム幅 | Vベルトの形別に規定される溝の幅で、許容値をもたない規定値。 VプーリのV形溝の断面における伝動面の基準の幅で、プーリの溝角度を変えても、変わることのないプーリの溝の幅である。 一般にVベルトのピッチ幅に相当する。 | datum width |
| データム径 | Vプーリにおいて、データム幅における直径。 | datum diameter |
| データム周長さ | データム径と等しい円の周長さ。 | datum circumference |
| DLD | ピッチ円直径とデータム径の半径方向との距離。 【注記】DLDは、データムラインが与えられたときの速比を計算するための補正に用いられる。 【注記】Vベルトのピッチ面とプーリのデータム幅の位置が一致する場合、DLDは0である。 | datum line differential |
| データム長さ | Vベルトをデータム径が等しい2個のプーリに一定張力になるように取り付けたときのプーリ中心間距離の2倍と、 一つのプーリのデータム周長さを加えた長さ。通常、これをベルト長さの表示に用いる。 | datum length |
E)有効幅に基づいたシステム
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| 有効幅 | Vベルトの形別に規定される溝の幅で、許容値をもたない規定値。 VプーリのV形溝の断面における伝動面の直線部分の溝の最大幅。通常、溝の真っすぐな部分の最外部に位置する。 | effective width |
| 有効直径 | プーリの溝の有効幅におけるプーリ直径。 | effective diameter |
| 有効周長 | 有効直径と等しい円の周長さ。 | effective circumference |
| ELD | ピッチ円直径と有効直径の半径方向との距離。 【注記】ELDは、有効直径が与えられたときの速比を計算するための補正に用いられる。 | effective line differential |
| 有効ベルト長さ | Vベルトを有効直径が等しい2個のプーリに一定張力になるように取り付けたときの プーリ中心間距離の2倍と、一つのプーリの有効周長を加えた長さ。 通常、これをベルト長さの表示に用いる。 | effective length |
F)Vリブドベルト
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| Vリブドベルト | 複数の溝をもつプーリとかみ合い、かつ、摩擦による動力伝達を行うための、 プーリの溝と似た形状のリブをもつベルト。 | V-ribbed belt |
| ピッチライン | ベルトを曲げても同じ長さを保つベルト中の円周方向の基準線。 | pitch line |
| ピッチ面 | 全てのピッチラインで構成される面。 | pitch zone |
| 有効ベルト長さ | Vリブドベルトを等しい2個のプーリに一定張力になるように取り付けたときの プーリ中心間距離の2倍と、一つのプーリの有効周長とを加えた長さ。 通常、これをベルトの長さの表示に用いる。 | effective length |
| ベルト自由長さ | 有効ベルト長さ測定時の10%の測定力で測定されたベルト長さ。 エラスティックベルトに限る。 | free length |
| 駆動レイアウト長さ | 駆動レイアウトにおいて、プーリ及びアイドラの中心が基準位置にあるとき、 それらの有効径を結ぶベルトの長さ。エラスティックベルトに限る。 | drive length |
| 伸び率 | 駆動レイアウト長さからベルト自由長さを減じて、ベルト自由長さで除した値。 エラスティックベルトに限る。 | elongation |
| リブピッチ | 二つの隣接しているリブの中心間距離。 | rib pitch |
| 基準ベルト幅 | ベルトの幅方向の基準寸法。リブピッチにリブの数を乗じた値。 | nominal belt width |
| 軸間距離の振れ | 規定された条件下で、長さ測定装置にて軸間距離を測定したときの、 最大軸間距離と最小軸間距離との差。 | centre distance variation |
| エラスティックベルト | 軸間距離を固定したレイアウトにベルトを伸ばして 取り付けることができる専用のVリブドベルト。 | elastic belt |
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| 有効幅 | Vベルトの形別に規定される溝の幅で、許容値をもたない規定値。 VプーリのV形溝の断面における伝動面の直線部分の溝の最大幅。通常、溝の真っすぐな部分の最外部に位置する。 | effective width |
| 有効直径 | プーリの溝の有効幅におけるプーリ直径。 | effective diameter |
| 有効周長 | 有効直径と等しい円の周長さ。 | effective circumference |
| ELD | ピッチ円直径と有効直径の半径方向との距離。 【注記】ELDは、有効直径が与えられたときの速比を計算するための補正に用いられる。 | effective line differential |
| 有効ベルト長さ | Vベルトを有効直径が等しい2個のプーリに一定張力になるように取り付けたときの プーリ中心間距離の2倍と、一つのプーリの有効周長を加えた長さ。 通常、これをベルト長さの表示に用いる。 | effective length |
G)Vリブドプーリ
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| Vリブドプーリ | 同じピッチ円直径の、V溝を等距離で複数配置したプーリ。 | V-ribbed pulley |
| 平プーリ | ベルトの背面又はリブ面に使用される円筒状のプーリ。 | flat pulley |
| プーリ溝 | ベルトのリブがかみ合う、プーリの外周面に形成した幾つかのV形状の溝。 | pulley groove |
| 溝ピッチ | 二つの隣接しているプーリ溝の中心間距離。 | groove pitch |
| プーリ先端丸み部の半径 | 隣接した二つの溝の間に形成される山頂部の丸み部の半径。 | transitional radius |
| プーリ溝底丸み部の半径 | 溝の底部で溝側面につながる部位の半径。 | groove bottom radius |
| プーリの溝角度 | 溝断面の両側面によって形成される角度。 | angle of pulley groove |
| ピッチ円直径 | プーリにベルトを巻きかけた状態で、ベルトのピッチラインに位置するプーリの直径。 | pitch diameter |
| ピッチ円周長さ | ピッチ円直径の円の周長さ。 | pitch circumference |
| 有効直径 | プーリ先端丸み部の半径が公差の最小値であるときの、溝の頂部でのプーリの直径。 | effective diameter |
| 外径 | 溝の頂部でのプーリの直径。 | outer diameter |
| 有効周長 | 有効直径と等しい円の周長さ。 | effective circumference |
| ELD | ピッチ円直径と有効直径の半径方向との距離。 【注記】ELDは、有効直径が与えられたときの速比を計算するための補正に用いられる。 | effective line differential |
H)Vリブドベルト伝動
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| Vリブドベルト伝動 | 一つのVリブドベルト及び二つ又はそれ以上のプーリからなり、そのプーリの少なくとも一つが、 Vリブドプーリで構成される伝動装置。全てのプーリの軸は、一つのピッチラインで形成される面に垂直である。 | V-ribbed belt drive |
| 速比 | スリップ及びベルトの変形を考慮しない、プーリのピッチ円直径の比率から計算したプーリの角速度の比率。 | speed ratio |
| 基準伝動容量 | Vベルト又はVリブドベルトを規定の張力で規定のプーリに180°巻き付けたとき、 ベルト1本又は1リブが一定期間伝達できる動力。 | power rating |
I)ベルト張力
| 用語 | 定義 | 対応英語(参考) |
|---|---|---|
| ベルト長さ測定張力 | 有効ベルト長さ測定で規定の測定力を与えたときのベルト張力。 | measuring tension |
| 安定張力 | 規定された条件下で一定時間運転された後のベルト張力。 エラスティックベルトに限る。 | stabilized tension |
| 取付け時最大張力 | ベルトを取り付けるときに発生する最大張力。エラスティックベルトに限る。 | installation tension |
仕様
穴加工・公差・はめあい
計算・換算/式・単位
機械要素
- 六角穴付ボルト(キャップボルト) 規格一覧表 | JIS B 1176抜粋
- 六角穴付き止めねじの形状・寸法(JIS B 1177-1997 抜粋)
- 六角ボルト(部品等級 A)の形状・寸法(JIS B 1180-1985 抜粋)
- 六角穴付き止めねじの使い方
- 鋼製ボルト・小ねじの機械的性質(JIS B 1051-2000 抜粋)
- 六角棒スパナ(六角レンチ/Lレンチ/ヘキサゴンレンチ)の形状・寸法(JIS B 4648:2008 抜粋)
- 平行キー・キー溝の寸法と許容差 規格一覧表(JIS B 1301-1996/JIS B 1301-1959[旧JIS] 抜粋)
- スナップリング(C型止め輪/Cリング)規格・寸法一覧表(JIS B 2804-2010 抜粋)
- シム寸法
- ボールベアリング(玉軸受け) 規格寸法表-JIS抜粋
材料特性
用語