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回転機器の釣合い良さ

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釣合い良さとは、JIS B 0153-1985によれば、「剛性ロータの釣合い程度を示す量であって、比不釣合いと、ある指定された角速度との積」と定義されている。

許容不釣合いを決める手順

許容不釣合いを決めるには、ロータに関して次の情報(数値)が必要である。

  • ロータが使用される最高回転速度nmax
  • ロータの質量m
  • ロータの軸受の位置
  • 修正面の位置
さらに詳細な計算には
  • ロータの質量中心(重心)の位置が必要である。
  1. ロータの種類から釣合い良さの等級を設定する。釣合い良さの等級の値が小さければ小さいほど釣合わせ精度が高くなる。ただしG1とG0.4については JIS の解説にあるように、特別な注意が必要になる。
  2. そのロータが実際に使われる最高回転速度から許容残留比不釣合いeperを求める。これは次の計算式あるいは右の図から求めることができる。
釣合い良さ= e・ω
ω =2πn/60=n/9.55
n[min-1
ω[rad/s]
釣合い良さ=e・n
9.55
  1. 許容残留比不釣合いとロータ質量から許容残留不釣合いを求める。許容残留不釣合いUper=eperm[g・mm]
  2. 許容残留不釣合いを実際に修正面の不釣合いに配布する(軸受の位置、修正面の位置、質量、質量中心の位置の関係によって配分の計算方法が異なるので詳細は JIS 本文を参照のこと)。

各種回転機械に関して推奨される釣合い良さの等級(JIS B 0905-1992)

釣合い
良さの
等級
釣合い良さの
上限値 mm/s
(eper ×ω)
ロータの種類一例
G4000 4000 ● 剛支持されたシリンダ数奇数の船用低速ディーゼル機関*1 のクランク軸系*2
G1600 1600 ● 剛支持された大形2サイクル機関のクランク軸系*2
G630 630 ● 剛支持された大形4サイクル機関のクランク軸系*2 ● 弾性支持された船用ディーゼル機関*1 のクランク軸系*2
G250 250 ● 剛支持された高速4シリンダディーゼル機関*1 のクランク軸系*2
G100 100 ● 6シリンダ以上の高速ディーゼル機関*1 のクランク軸系自動車、トラックおよび鉄道車輌用機関(ガソリン又はディーゼル)の完成品
G40 40 ● 自動車用車輪、リム、ホイールセットおよび駆動軸●弾性支持された6シリンダ以上の高速4サイクル機関*1
●(ガソリン又はディーゼル)のクランク軸系*2 ● 自動車、トラックおよび鉄道車輌用機関のクランク軸系*2
G16 16 ● 特別の要求がある駆動軸(プロペラ軸、カルダン軸)● 圧砕機の部品 ● 農業機械の部品
● 自動車、トラックおよび鉄道車輌用(ガソリン、ディーゼル)機関の部品・特別な要求がある6シリンダ以上のクランク軸系*2
G6.3 6.3 ● プロセスプラント用機器 ● 船用主機タービン歯車(商船用)● 遠心分離器ドラム ● 製紙ロール、印刷ロール ● ファン ● 組み立て後の航空機ガスタービンロー タ ● はずみ車 ● ポンプ羽根車 ● 工作機械および一般機械の部品 ● 特別の要求がない中形および大形(少なくとも80mm 以上の軸中心高さをもつ電動機の) 電機子 ● 振動に敏感でない使われ方や、振動絶縁を施してある(主として量産形の)小形電機子 ● 特別な要求がある機関の部品
G2.5 2.5 ● ガスタービン、蒸気タービンおよび船用主機タービン(商船用)● 剛性ターボ発電機ロータ
● 計算機用記憶ドラムおよびディスクターボ圧縮機 ● 工作機械主軸● 特別の要求がある中形および大形電機子 ● 小形電機子(G6.3 および G1 の条件のものを除く)● タービン駆動ポンプ
G1 1 ● テープレコーダおよび音響機器の回転部 ● 研削盤のといし軸 ● 特別の要求がある小形電子
G0.4 0.4 ● 精密研削盤のといし軸、といし車および電機子 ● ジャイロスコープ
※ *1印部:ピストンの速度が 9m/s 以下のものを低速、これを超えるものを高速ディーゼル機関としている。
※ *2印部:クランク軸系とは、クランク軸、はずみ車、クラッチ、プーリ、ダンパ、連接棒の回転部などを含む全体をいう。
※ 機関の完成品では、そのロータの質量は、そのクランク軸系に属するすべての質量の合計を指す。

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